7月10日 本を持って帰ろう

本を読むようになった。

本と言っても普通の単行本だけじゃなくて、雑誌だったり漫画だったりもする。本はしずかなところが良い。雑音が入らない。好きなBGMを自分で選べるところも良い。

本って1回読んだら終わりだから、買うともったいないような気がしていた。わたしの育った家はそういう文化だった。昔から読むのは小説ばかりだったからかもしれない。最近自分で買うのはもっぱら料理本だ。何度も広げて見るからもったいなさが薄い。確実に元を取れる。写真集も良い。綺麗で憧れる女性の写真は、ダイエットを頑張ろうと思わせてくれる。

同僚が読んでいたビジネス書が面白そうだったので、借りてすこしずつ読んでいる。GAFAに関する本。面白いのだけれどなかなか難しくて進まない。同僚は「眠くなりますよ」と笑いながら言っていた。そうだ、電車に乗ろう。中距離の電車移動が一番読書に向いている。電車で片道1時間かけて通勤していた頃はよく本を読んでいた。あとは読み終わるまで帰らないと決めてカフェに籠るしかない。ミスドが良いかな。カフェオレをおかわりしてのんびりできそう。

本はすごい。直接会うことができないような雲の上の人の考えを、分けてもらって知ることができる。カフェランチ1食分くらい払えば普通の単行本なら買える。著名人と一緒にランチしたと思えば良い。

美容やファッションなどの見た目にお金をかけるのはわかりやすいけれど、本を買って勉強をしたりして内面にお金をかけることは、他人からの変化が見えにくい。でもずっとずっと残り続けるものって後者が多いんじゃないかな。本を買うことは自分の内面への投資なのかもしれない。少なくともただの消費ではない。

お金をかけるとは言ったものの、わたしは本屋でポンポンと本をたくさん買うことができない。パトロールするだけのことが大半だ。見るだけ。でも「帰ってすぐ読みたい!」とときめいてしまったら買ってお持ち帰りする。小学生の時、玄関でランドセルを広げて本を読んでいたことが何度もあったと家族は言う。図書館で借りてから家に帰るまでの時間はわくわくした。早く読みたい。大人になってからもその気持ちは同じだ。